スポンサーリンク

RSS | ATOM | SEARCH

赦しとは、復讐とは、正義とは…… 映画「ケープタウン(2013)」の感想など(ネタバレあり)

スポンサーリンク

映画「ケープタウン(2013)」の感想など(ネタバレあり)

 

≪あらすじ≫

南アフリカのケープタウンで、引退した人気ラグビー選手の娘が巻き込まれる事件が発生。

刑事ブライアンとアリが捜査を続けていくと、少女とある薬物の売人の関係が明らかになる。その危険な薬物は、頻発している子供失踪事件の現場に残されていた物と同じだった。

 

以下ネタバレokの方はスクロールを

 

 

 

 

監督 ジェローム・サル

 

出演 オーランド・ブルーム

   フォレスト・ウィテカー

   コンラッド・ケンプ

   ジョエル・カイエンベ

   インゲ・ベックマン

   

 

 

 

アリの壮絶な人生

 

黒人少年アリの父親が燃やされるショッキングなシーンで始まる映画「ケープタウン」
1978年、アパルトヘイト真っ只中の南アフリカなもんだから、父親を燃やしたのはもちろん人種差別主義者の白人たち……かと、思いきや。


映画「ケープタウン」で火だるまの父親を取り囲み蹴りつけているのは、白人ではなく同胞であるはずの黒人達なのだ。

なぜならこの映画「ケープタウン」の冒頭で描かれているシーンは“タイヤネックレス”と呼ばれ、アパルトヘイト時代に黒人たちの間で裏切り者の制裁のために行われていた私刑行為。

 

映画「ケープタウン」では冒頭から流れるこの凄惨な“タイヤネックレス”により、アパルトヘイト時代=白人VS黒人という単純な固定観念を覆され、この映画の背景に潜む一筋縄ではいかない闇を強烈に見せつけられるのだ。

 

そして走って逃げた少年アリの前に現れたのは、ニヤケ顔の白人警官二人。彼らのけしかけた警察犬に陰部を噛まれた映画「ケープタウン」のアリは不能になってしまう。

しかし映画「ケープタウン」のアリはそんな凄惨な過去の出来事や、不条理を引き起こした人々を赦し立派な刑事に。


アリの上司はアパルトヘイト時代に相当な非道を尽くした人物だったらしいが、のうのうと警官を続けられている。
アリの同僚刑事ダンの妻のセリフからみるに、この上司は真実和解委員会によって真実を告白したことで“赦された”人物なのだ。

 

映画「ケープタウン」のアリは同僚のブライアンやダンと共に白人少女が殺された事件を調べる内に、新型麻薬の存在とその裏に隠された巨大な陰謀を知ってしまう。


さらにアリが行方不明の少年の件を話してしまった事で、彼の母親は少年の居所を調べようとして事件に巻き込まれて犠牲になってしまうのだった。

それまで“赦し”の信念を貫いていたアリが下した決断とは……。

 


映画「ケープタウン」ラストシーン・感想

 

新型麻薬は大手製薬会社が鬱病の治療薬として開発していたものであり、行方不明になった少年達はその薬の人体実験に使われていたと発覚。
アリは武器を手にオパーマン博士のいるナミビアの牧場へ向かうと、博士の仲間たちを一掃。
砂漠へ逃げた博士に復讐を果たすも、重傷を負っていたアリ。ブライアンが駆け付けた時にはアリは息絶えていたのだった。

 


単なるグロを売りにしたスプラッター映画は数あれど、そんな映画とは比べ物にならないほどにえげつない強烈なインパクトを残してくれた映画「ケープタウン」
映画「ケープタウン」のように、ここまで思想と時代背景が複雑に絡み合った人間の残虐さを見せつけられたのは久しぶりだった。

 

この映画「ケープタウン」で描かれているのは、アパルトヘイト後ネルソン・マンデラによって全民族融和が成功したはずのア南アフリカで、未だに残る闇の部分。
映画「ケープタウン」では“赦し”だけでは解決しきれなかった、アパルトヘイトが生み出した数々の負の遺産のが浮き彫りになっている。
未だに残る手つかずの黒人居住地区や、子供が行方不明になっても通報すらしない、しても無意味だと諦めている住民たち。

 

ネルソン・マンデラの赦しの信念は立派だ。しかし立派過ぎるがゆえに、付け入られる隙が大きいのも事実だろう。
この映画「ケープタウン」に登場したオパーマン博士が、過去には黒人虐殺を企てていたにもかかわらず赦され、今度は黒人の子供を使って人体実験をしていたように。
そして映画「ケープタウン」でギャングのボスが真犯人だと公表しそれ以上の捜査を止めたアリの上司も、オパーマン博士と癒着していたのではないだろうか。

 

映画「ケープタウン」でこの二人を見ていると、過去に“赦された”人間たちがとった行動になんの反省も見られないどころか、こうした人物たちによって社会の更なる歪みが助長されているように思えてやりきれなくなってくる。

ラストでは遂に復讐へと走った映画「ケープタウン」のアリ。なんでも赦してしまうのは果たして本当に正しいのだろうか。そんなことを考えさせられた映画「ケープタウン」だったのだ。

 

スポンサーリンク

author:ゆる夫, category:映画・サスペンス, 20:48
-, -