映画「マジェスティック(2001)」の感想など(ネタバレあり) | ゆる〜く映画つっこみ感想

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映画「マジェスティック(2001)」の感想など(ネタバレあり)

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映画「マジェスティック」の感想など(ネタバレあり)

 

≪あらすじ≫

新進の脚本家ピーターは見事ハリウッドデビューも果たし幸福な時を過ごしていた。しかしふとした誤解から当時猛威をふるっていた赤狩りの標的となってしまう。

絶望したピーターは、当てのないまま車を走らせやがて橋の上で事故を起こして川に転落する。見知らぬ海岸に流れ着いたピーターは、偶然通りかかった老人に助けられ彼の住む町ローソンへとやって来る。事故のショックで記憶をなくしていたピーターだったが、町では第二次大戦に出征し行方不明になった町の英雄ルークと間違われ、大歓迎を受けるのだった……。

 

以下ネタバレokの方はスクロールを

 

 

 

 

監督 フランク・ダラボン

 

出演 ジム・キャリー

   マーティン・ランドー

   ローリー・ホールデン

   デヴィッド・オグデン・スティアーズ

   ジェームズ・ホイットモア

   ジェフリー・デマン

   アレン・ガーフィールド

   アマンダ・デトマー

   ボブ・バラバン

   ブレント・ブリスコー

   ハル・ホルブルック

   ロン・リフキン

   マット・デイモン(声)

 

 

 

 

記憶を失くした脚本家

 

第二次世界大戦から9年後が舞台の映画「マジェスティック」。駆け出しの脚本家・ピーターは学生時代に共産党集会に参加したとして政府の赤狩りの対象となってしまう。
ノンポリを自称するピーターとしては、この集会に参加したのは女のケツを追っかけただけであり、この集会が共産党主催であった事すら知らなかったのだ。

 

しかし映画「マジェスティック」では共産党員だと因縁を付けられてしまったことで仕事にも影響が出てしまい、ヤケになったピーターは飲酒運転の末に事故を起こして車ごと川に転落。
そのまま海岸へ流れ着き意識を取り戻したものの今までの記憶を失ってしまっていたピーターは、老人・レオによって近くの田舎町へ招待されるのだった。

 


ほのぼのローソンの重い過去

 

ピーターが記憶を失くしてからの映画「マジェスティック」は、どこか浮世離れしたおとぎ話的物語
映画「マジェスティック」の良い人たちだらけのローソンの、ほのぼのとした大らかな雰囲気とハートフルな人間ドラマには最高に癒されるね。

 

第二次世界大戦で若者60人近くを失ってしまった田舎町ローソン。その住民の一人ハリーはそっくりな容貌から、ピーターを戦死した息子ルークだと勘違い

そしてこの映画「マジェスティック」のハリーさんが本当に良いパパ。9年経ってもなお、出征中の印を出し続けていた切ない親心には涙ちょちょぎれますよもう……。

 

もちろん映画「マジェスティック」ではハリーだけでなく、ローソンの住民たちも9年ぶりの復員兵ルークに大歓喜し、ピーターがハリーの映画館“ザ・マジェスティック”を再建すると決意すると、超あっさりと支援を決定してくれる町議会。

「ルークの映画館にだけ支援して不公平だと批判されないのか?」なーんて勘ぐってた自分が馬鹿らしく思える程、ホントに素朴で大らかなローソンの住民たち


しかしローソンは素朴なだけではなく戦争で大勢の若者を失った過去がある、ってのがまた哀しい土台となってローソンの住民たちに深みを持たせてるのだ。

 

そんなローソンの住人たちの中には、ピーターがルークでないと気付いている人間も少数いるも誰もそれを口にしない。なぜなら映画「マジェスティック」の住民たちは戻ってきたルーク(ピーター)の存在に、亡き若者たちの面影を重ねて希望を見出していたから

 

ルークの幼馴染であり婚約者だったアデルも、実は彼がルークじゃないことを分かっていながらピーターと交際を続けていたってのもまた切ないのだ。
そう考えると、もしかしたらハリーもピーターがルークじゃないと気づいてたのかも知れないが、どちらにしても映画「マジェスティック」のハリーにとってピーターと過ごした最期の時間が慰めになった事は間違いないだろう。

 

映画「マジェスティック」でルークとして映画館を立て直して町を盛り上げるも自分の脚本した映画を見たことで記憶が戻り、時を同じくしてハリーが亡くなり、さらにFBI捜査官に発見されてしまったピーター。
ルークではない事が判明しローソンの住人にもよそよそしくされ、聴聞会に呼び出されシナリオ通りの文言を証言すれば無罪放免となると弁護士に指示されたピーターだったが……。

 


映画「マジェスティック」ラストシーン・感想

 

ピーターは聴聞会で当時集会に参加していた女性・ルシールが好きで集会に参加していただけだったと真実を語る。
さらには法廷侮辱罪で投獄される覚悟で「ルークが命がけでも守った国は、こんな国じゃない!!」と熱いスピーチ。

あえなく投獄かと思われたピーターだったが、彼が名前を挙げたルシールは現在大手放送局の番組プロデューサーであり共産党員として目を付けられていたのだ。


ピーターは図らずしもそれを証明したこととなり無罪放免に。後日ローソンの町を訪れると、ピーターはピーターとして住民たちに歓迎され、アデルと結婚して幸せな生活を送るのだった。

 


保身のために嘘の証言をするのではなく、真実を主張することでアメリカという国の自由の在り方を訴えたピーターの演説が印象的だった映画「マジェスティック」
事故前の状態だったらきっと渋々筋書き通りの証言をしたであろう映画「マジェスティック」のピーター。それがローソンでの生活やアデルとの出会い、そして生前のルークから影響を受けて、一回り成長して堂々と真実と信念を語れる男になったって熱さが素晴らしかった。

 

しかし一昔前のアメリカ映画はスピーチ大好きだったよなぁ。熱血演説→観衆がスタンディングオベーションの大絶賛でヒーローに。という、この映画「マジェスティック」にもあったビッグなアメリカ的演説の流れね。

 

夢みたいな理想溢れる主張に希望を見出すことこそ、スピーチが印象的な映画の醍醐味でもある訳だが、最近名作スピーチものが少なくなってきたのは、理想論のスピーチに夢を見られなくなってしまった位、現実世界が厳しくなってしまったせいなのかなぁ。

 

映画なんかで正直者の話が好まれるってのも、裏を返せばそれだけ現実に正直者が少ないって事の証拠でもあるし、正直者が馬鹿を見る世の中になりすぎてしまってるせいなのだろうか……。
そう考えると、理想論の中に希望すら見いだせないシビアな世の中ってちょっと悲しくもあるのだ。

 

それはそうとして、個人的に映画の中で描かれる政治や戦争に対しての主義主張については、どんな映画であれ製作者の主張がどちらであれ結局はプロパガンダにしか思えない。

 

この映画「マジェスティック」は、赤狩りという当時の体制に立ち向かう主人公や戦争に翻弄された町を見るにリベラル系かと思えなくもないが、かと言って反戦主張なのかと言えばそうでもなく、ルークの手紙で“力を持った悪を叩き潰すには命を懸ける価値がある”って強調して英雄視してる辺り、結局は政治的なバランスを考えて作られてるんだなぁといった印象を受けたのだった。

 

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author:ゆる夫, category:映画・ドラマ, 16:11
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